2015年12月30日

N.W.A  欧風カレーについて

今日はセルフボーストのようなことを書くがお許し願いたい。
当店の欧風カレーは、一から手順を踏んだ、欧風カレーだ。
(一から手順を踏むことは本来当たり前のことだが)
今の業務用ルーはよくできてる。
パウチやフレークで色々あって
確かに結構うまい。表面的には。
メイクマネーだけの考えなら、自分もとっくに業務用ルーを使って
適当にごまかしてやっている。
しかし、自分はカレー屋だ。お客さんには嘘を付けない。
そんなWACKなカレーじゃ1円もいただけない。
業務用のインスタントじゃ、出ない味わいがあるのと
自分の店のカレーだと堂々と言いたいんだ。
後ろめたいカレーは作りたくない。
あとは本物の欧風がどんな感じか知らない人に知ってもらいたい。
食べログなんかで散見されるが、インスタントの店で「絶品」という人もいる。
余計なお世話だがカレー屋としてはそれは哀しい。
そもそも本物を知らない人は、偽物との区別もつけられない。お客さんに罪はない。
カレー屋がインスタントなど使わずに、きっちり作ればいい話だ。
しかし、残念ながら現実は、欧風カレー(西洋式カレー)に関しては、他の料理と違って本物が世の中に少なすぎるのも問題だ。
(ラーメンも、昨今はインスタント店が増えたが、本炊きでこだわって頑張っている店も多い。やはり本炊きは、地味な部分の奥行きや余韻が違う)
ではカレー屋として自分が出来ることは何かということだ。
名だたるホテルにしてもレストランにしても名の知れたカレー屋でも業務用インスタントはあふれかえってる。
想像以上にだ。個人的にその風潮には賛同できない。それは、やはり嘘だから。
自分は作り手として正しい姿勢でいきたい。それ以外はダメな人間でも・・・
あとネックは値段だ。本物の欧風をやると確かに値段は高くなる。
余談だが、インスタントルーの発明と共にカレーライスという食べ物は大衆に浸透していった。
そして業務用のものも開発され飲食ビジネス界でも多様されるようになり、その値付けが一般的な
「欧風カレー」と称されるメニューの相場となった。
個人的には、これらが「欧風」と冠されていることに疑問を感じている。
本物の一から工程を踏んだ欧風カレーは、時間と手間や高い材料費がかかり、提供価格も高くなる。
(フォンドボーをとり、ルーとスパイスを作る。英国式のカレーを日本人の知恵を取り入れて完成させたのが欧風カレーと考える)
そこは心苦しいが、ある程度きっちり作るとそうなる。これが堂々たる「欧風カレー」という食べ物だ。
そんな食べ物を食べるか食べないかは、もちろん個人の選択肢に委ねられる。
業務用ルーの店で800円くらいのインスタントを2回食べるのと、どっちを選ぶか?ということだ。

コスパコスパ言う人には向かないカレーかも知れない。しかしこれは逆にコスパのいいカレーだ。
宮本輝なら知っている。
人にはそれぞれ価値観、味覚の好みがある。インスタント店のほうがうまいという人もいてもいい。
選ぶのは個々人の自由だ。
ごちゃごちゃ書いたが、言いたいのは、これがNOKEのカレー屋のスタンスってことです。

Noke curry With Attitude
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posted by 全国食べ歩き孤食のグルメ歴20年ダメヤ マズター at 09:13| 日記

2015年06月08日

追悼

巨星墜つ。
ポストを開けると御夫人からの手紙が届いていた。訃報でした。
猶予は短いのは聞いていたけど早過ぎです。
この店は多くの有名なテレビ番組(「どっ○の料理ショー」等)や
さまざまな雑誌の取材を断っていたと聞きます。
メディアには出ない、知る人ぞ知る名店でした。
全国、食べ歩いてきましたが、ここまで洗練された究極のスタイルを
呈示した店を知りません。
東京にもこんなに繊細で奥深い味を出すカレー店はありません。
本当にすごい店が福岡に存在したのです。ついこの間まで。

そのヨーロッパの調理技術とインドの調理技術を
見事に組み合わせたカレー、スパイス料理は
唯一無二といえました。
30年以上前の情報もない時代に、理解されるかもわからないインド料理を
福岡で始めたというのは大変な苦労があったはずです。

ある時、GARAMのマスターに凄い人がいると言われ、
連れて行ってもらって本当に良かった。
長年の経験からの集約されたテクニックやこだわりに驚かされた。
そして、このカレーの繊細な味わいは万人に受け入れられる
ものでもないと感じました。迎合しない味です。
食後は時間を割いてくださり、自分のオリジナル料理を理解してもらえるまで
かなりの年月を要したこと等、興味深い話を伺いました。
そして最近の食材の話を生き生きと話されていました。
白いひげをたくわえ、長年の経験が威厳を感じさせる佇まいでした。
最後に店を出る際に握手をして頂いたのですが
分厚い手で力強く、大変勇気づけられたのを覚えています。

それが数カ月後にこのようなことになるとは。
私は福岡に来て年月が浅く、これから通って色んなことを学ばせてもらおう
と思っていたのに10のうち、1も知り得なかった。残念でなりません。
やり残したことはない、満足していると御自分の余命を知りつつ
泰然自若としたさまで構えておられたというのは壮絶です。
ハードワークだったと思います。ゆっくりとお休みください。

どうしても引っかかってしまいます。
本人の御希望もあったのかもしれないが、あまりにひっそりと去って行かれた。
あまり話題にもならず、自分のお客さんからもほとんど話を聞かない。
常連だった人は、味を語り継いでいってほしい。
とにかく、ひっそりし過ぎてるように感じられて少し寂しい・・・

みなさんもテレビ、雑誌、ネット、食ベログ等に左右されず
自分の足と舌で美味しい店、自分の味覚に合った店を探してください。
そういう店は存在します。この店がそうでした。
posted by 全国食べ歩き孤食のグルメ歴20年ダメヤ マズター at 22:59| 日記

2015年03月08日

インド料理は1日にして成らず

東京に来て早速驚かされる。なんだこの豆のCURRYの味わいは。
グランドマスターは思いもつかないスパイスを使う。
「豆のCURRYが難しくてなかなかうまく決まりません」
「豆は実は難しいよ」

やはり豆は難しいのだ。
肉のカレーは肉からわかりやすい出汁が出てくれる。
豆のCURRYは違う。おだやかな豆の味わいを引き立てるスパイスのバランスが求められる。
とても繊細だ。
簡単なようで一番難しいかもしれない。
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posted by 全国食べ歩き孤食のグルメ歴20年ダメヤ マズター at 00:02| 日記